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広尾 晃の気まぐれ寺ばなし

第46回 最澄、空海を中国へと導いた鑑真

最澄や空海が唐に渡ろうと決意した背景には、

渡来僧がもたらした多くの経典がありました。

7世紀から8世紀にかけて多くの渡来僧が日本に渡りましたが、

その中で最も大物は、有名な鑑真です。


鑑真は、厳しい小乗仏教の戒律を学び南山律宗の後継者とされましたが、

同時に中国天台宗も深く学んでいました。

さらに密教や浄土教も学んでいました。

単なる学僧のレベルを超えて、鑑真はその当時の主要な中国仏教に精通した大学者でもあったのです。



日本の朝廷が鑑真に期待したのは、

正しい戒律のあり方を日本僧に教え、正式の受戒を日本でもできるようにすることでした。

鑑真はその期待に応えるべく尽力しましたが、

同時に大乗仏教系の多くの経典も日本にもたらしたのです。



最澄は鑑真の残した天台宗の経典にふれて唐で天台宗を学ぼうと決意しました。

空海も密教を学ぶにあたって鑑真がもたらした経典を見た可能性があります。

さらには、鑑真は浄土教の教えを日本で初めて紹介。

これが平安時代に入ってからの浄土教の広がりにつながりました。

鑑真は、日本仏教の広がりの大本になる「種」を撒いたのです。


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最澄、空海に大きな影響を与えた、鑑真が興した唐招提寺

プロフィール

広尾 晃(ひろお・こう)

1959年大阪市生まれ。立命館大学卒業。コピーライター、プランナー、ライターとして活躍中。日米の野球記録を専門に取りあげるブログサイト「野球の記録で話したい」でライブドア奨学金受賞。スポーツ専門テレビ局「J SPORTS」でプロ野球番組のコメンテーターも務めている。著書に『巨人軍の巨人 馬場正平』、『プロ野球なんでもランキング』、『プロ野球解説者を解説する』(以上、イースト・プレス刊)など。

 

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