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著者に聞く!

『京都発!子どもクッキング 自分でつくるカンタンごはん【和食編】』著者、鎌田早紀子先生にききました

料理は人を喜ばせることができます。
そして生きる力につながります。

まず『自分でつくるカンタンごはん』について、あらためて著者の鎌田先生から、どのような本なのか、教えていただけますか?

料理を始める人にもってこいの本です。カンタンに作れて、それでいておいしくて、いろんな作業があって、満足できる、そんなレシピが満載です。レシピだけでなく、家で子どもが料理をするとき、大人が子どもに料理をさせてみるときに、あったらいい知識、ポイントも載せています。安全に料理をするための環境づくり、包丁を使わなくてもできる簡単な作業から、道具の使い方、料理の基本(ごはんの炊き方、おだしのとり)、四季ごとのレシピ、おやつものっています。また、実際の子どもクッキングでの子どもたちの様子も書いています。料理を通しての子どもたちの学び、成長も感じてもらえたらと思います。

 

鎌田先生が、子どもの食育に興味を持たれたきっかけを教えてください。

もともと子どもが好きで、大学生のときは、子育て支援のボランティアなどをしていました。
食にも興味があって、食べることは大好きです。
大学生のときに、足立己幸さんの著書『知っていますか子どもたちの食卓』(日本放送出版協会)という本を読んで、そこには子どもたちが描いた家庭での食卓の絵がありました。食事内容にもびっくりしましたし、孤食などの現実も知りました。もっと食事の大切さ、楽しさを子どもたちに伝えたいと思ったのが始まりだと思います。

 

なるほど、たしかに、朝からカップラーメンや、コーラを飲んでいる子どもがいたり、一人で食事をしている子どもがいたりしてショックを受けました。このように育った子どもが親になったとき、日本はどうなるのだろうと思った記憶があります。
鎌田先生ご自身は、小学生の頃はどんなお子さんでいらっしゃいましたか? 料理はお好きでしたか?

全然活発ではなかったです。怖がりでどんくさい。運動が苦手。そのくせ目立ちたいところもあって、児童会の役員になったことは覚えています。負けん気が強かったですね。
料理をしていた記憶はあまりないですが、嫌いではなかったです。家庭科の調理実習などはよく覚えています。おつかいもよくしていて、好きでした。


「室町子どもクッキング」は、京都で11年続いているとききました。この教室を始められたきっかけを教えてください。京都ならではの特徴とか、こだわりみたいなものはおありでしょうか?

別の親子料理教室でスタッフをしていたときに、興味があってお手伝いに来られた方と意気投合したのが運命の始まりです。お互い「子どもに料理をさせたい!」と目指す方向が一致していました。その方のつながりで、室町社会福祉協議会、室町小学校と出逢えました。そちらの協力を得て、教室がスタートしました。
京都ならでは、ということになるかはわかりませんが、教室では日々の食事、ケの食事を大事に、おばんざい的なおかずを作ることが多いと思います。しかしそれは、だしと旬の野菜を使ったら必然的にそうなると思います。


この本を手に取った方は、「子どもに和食」ということに、意外な印象を受けるかもしれません。私も小学生の娘がいますが、食べてくれないと困るので、毎日のメニューがどうしても洋食寄りになってしまいます。

子どもが洋食が好きなのは当然です。もういたるところで食べ慣れていますから。やわらかくて、脂肪分たっぷりで、おいしいに決まっています。


では、なぜあえて和食の教室を開こうと思われたのですか? 実際に開かれてみて、子どもたちの反応はいかがでしたか?

洋食がおいしいのは当たり前なんですが、でも、「だし」の味も本能的においしいと感じるものなのです。教室ではいつも、だしを味見させるようにしています。こんぶのだし、かつおぶしのだし、にぼしのだし。それぞれ味付けをする前に、子どもたちに味の違いを体感してもらうのです。だしだけだと、「うすい、まずい」という感想も出ますが、調味料を加えると「生まれ変わらはった!」と大人顔負けのコメントが出るんです。だしは、素材本来の味をひきたたせてくれるので、味覚がするどくなると思います。
だしだけでなく、子どもたちは、野菜のおいしさにも気づきます。なすは「大嫌い」という子が多いですが、教室では蒸して三杯酢であえるだけのシンプルな料理でも、ペロリと食べてしまいます。
和食っておいしいんです!それでいて低カロリー。生活習慣病はもう、子どもでもかかる病気になりました。だから、子どもたちに元気で健康でいてほしい。自分で自分の人生を切り拓いていってほしい。健康な心身をつくるためにも、健康的な食事の味を子どもたちに伝えたい!と強く思って、和食の教室を開きました。
教室に来る子はリピーターも多いです。ですから子どもたちはなんら抵抗ないように思います。


やはり、味覚が敏感な子どものうちに、和食を食べたほうがいいですね。

本当にそう思います。

 

「子どもに料理をさせる」こと、しかも「和食」を作ることには、どのようなメリットがあるとお考えですか? 料理で、どんな力が身につくのでしょうか?

とにかく、健康的な食事が作れるようになります。そうすると、大人になって家庭をもっても家族に和食を作ってあげることができます。自分はもちろん、家族の健康にもつながります。クッキングでつくる料理はどれもとても優しいお味で、なんだかほっこりします。きっとミネラルも多いと思います。心の安定にもつながるのではないでしょうか。
料理をすると五感を使います。日常的な遊びの中で、五感を使うことが少なくなってきた現代では、非常に有効なことだと思います。子どもたちの健やかな発達にもつながります。
他にも、スキルが身につく、相手のことを考える、生きる力、チャレンジ力、失敗から学ぶ、達成感、自信、自己肯定感、自己受容感、他者理解......。

 

あげたらきりがないですね。
保護者の方の中には、子どもに料理をさせたいとは思うけれど、危険ではないかと、ためらいを感じておられる方、また、つい叱ってしまって、自分がしたほうが早い...となってしまう方も多いと思います。そんな方に何かメッセージをおねがいします。

誰しもが子どもの成長を願っていると思います。とにかく子どもたちは、料理をさせることでびっくりするほど成長します。だから私からのお願いです。お母さんやお父さんは、つい手や口が出そうになると思いますが、自分をぐっと止めて、横で見守ってあげてください。
そこを乗り越えて、子どもたちが料理ができるようになったら、パラダイスですよ! 忙しいときに、風邪をひいて寝込んでしまったときに、子どもが勝手に作ってくれるのですもの! 大助かり! 外食より節約できる!
ただ、ぐっと止めることができないときもあります。叱る自分を「またやってしまった」と責めてしまったり...。でも、それもありです。できるときにさせてあげてください。


料理は何歳から始められますか? 

興味をもったときがチャンスです! 包丁を使わなくてもできることはたくさんありますし。私の友人は1歳3か月の娘にきのこ裂きをさせたそうですよ(笑)


この本を読ませて頂いて、和食のレシピ本ではあるけれども、「子どもたちの成長」を誰よりも喜んでおられる鎌田先生のお気持ちがあふれていて、印象的でした。

そう思ってもらえて、嬉しいです。
子どもたちはその場で成長します。それを間近で受け取れてとても幸せです。


「室町子どもクッキング」のこれからの展開、また鎌田先生のご活動の今後の展望など、教えていただけますでしょうか? 

引き続き、「自分でつくるカンタンごはん」をベースに、子どもたちがクリエイティブに考え、それを実際に料理して形にしていくこともできたらなと思います。
子どもたちが、家の冷蔵庫を見て「じゃあ、これ作ってみよう!」みたいになったり、買い物をしていてメニューを思いついたりできるようになったら面白いなぁ、と勝手に妄想しております。
私自身は、この本をきっかけに多くの場所で子どもクッキングが拡がることを願っています。
食や料理を通して、多くの人が「幸せー」と思えるような空間を創っていくことを、これからもしていきたいなと思いますね。


最後に、これから『自分でつくるカンタンごはん』を手にしようかという読者の方々に、ひとことお願いいたします。

料理は人を喜ばせることができます。そして生きる力につながります。
カンタンなことでいいんです。
それでいておいしいんです。
きっと笑顔になれます。
みなさまの輝かしい人生につながることを願っております。

ご協力ありがとうございました。

プロフィール

鎌田早紀子(かまだ・さきこ)
管理栄養士。子ども料理教室講師。
京都市生まれ。
京都府立大学大学院人間環境科学研究科食環境科学専攻博士前期課程修了(学術修士)。
京都、大阪を中心に主に小学生を対象とした料理教室を行っている。
生きる力、考える力がつき、子どもたちの心が満たされる教室を提供している。
料理ができる子どもを増やすことで未来が明るくなる!と本気で思って活動中。

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